子猫のミルク皿程度の器。
そう、「ケツの穴の小さいヤツ」とかいうと、婦女子には受けがかんばしくない。「子猫のミルク皿程度の器」というちょうどよい表現を見かけたので、ぜひ使ってみたい。「子猫のミルク皿程度の器」というのは、「太陽の塔」(森見登美彦)の中の一文なのだが、この「太陽の塔」自体もおもしろい。この作品が日本ファンタジー大賞だというのは、謎なのだが。妄想の中を疾走するような感触がすてきだ。むさい男の脳内で起こる妄想という名のメルヒェンという感じで怪しげな内容のくせに切ないとところもあり・・・なかなかおもしろいのであった。 閉じることのない半分の瑠璃色の円環を煌めかせながら、一頭の瑠璃蛺蝶の姿でどこかを彷徨っている。日陰に咲くこの蝶には、妄想がなんだか似つかわしい。
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