
様々な準備で買い物で歩き回る。先日は、プラタナスの並木の歩道を、雨の中浅草から北に向かう。湿気と夏の名残の熱気で、プラタナスの香りにむせ返りそうになる。この香りを嗅ぐと、小学校の一瞬帰ってしまう。プラタナス近くの雲梯、登り棒、旋塔といった遊具と共に散々遊んで少し赤くなった手。
このまま進めば、あの頃に届きそうな気がしてしまう。 真鍮の蝶
金具から、埃と油と金気の混じった古くさい匂いがする。こんなものに使うとかさだかではない。それでも、こんなことに使ったらおもしろいだろうと楽しんで選んだものだ。買ってきたそのままでは、何に使うにも具合が悪い。少々人の手が触れるところを磨いて適当に曇りと汚れをとる。気がつけば手の匂いは古びた道具箱の匂いとおなじになっていた。自分が作るものに使うための儀式のようなもの・・・使うものと使う側を合わせていく、私自身のチューニングなのだと思う。


