
昭和50年代ぐらいには、ありふれた街角の風景だったろう。いまでは、なかなか見かけない風景になってしまった。夕方になると、ぎらぎらする裸電球のもとあざやかにアイロンを操る手に目を吸いつけられ、ぼくは窓にはりついていたことだろう。いまでは、そんな魔法の時も過ぎてしまったのだろうか。それでも、頭の中になぜか見てきたかのようにその姿が見えてくる。そんな光景などこれまで見た記憶も今ではないというのに・・・たとえ誤った記憶であったとしても、どこかで見ていたような懐かしい気がする。この感覚自体は私自身のものであるなら、それはそれで、ある意味本物なのだ。