赤さび色の曲線を持つ孤独な彼女

裏銀小灰蝶
 庭に見かけぬ白色の蝶。茶色に一筆のうす水色の羽。灰白色の翅の縁を飾る赤さび色の曲線。オレンジ色の髪飾り。ユーモラスでコケティッシュなオレンジ色飾りのついた白いタイツ。

 今年はこれまでに見かけなかった、蝶を見かける機会が多かった。ムラサキシジミのような姿も2回ほどみかけたように思う。飛ぶ時以外はほとんど美しい翅の表を見せることもない。

 時折はっとするような青色が見える。それは、カワセミが羽ばたいている垣間みせる、あの光る瑠璃色と似ている。心を奪われるのもよくわかる。


 寒くなってきたこの気候のせいか、動かずじっとしている。あまりにも動かず・・・小さな蟻がはいのぼってきても動かずいたので、ついつい部屋の中につれてきてしまった。むいた柿の皮をつぶしたものを食事に与えると、腹が空いていたのかせわしく口を動かしていたが、今は机の傍らの帽子の影で眠っている。

 ふと「蝶の舌」という映画を思い出した。モンチョが大好きな先生に石を投げるシーンが・・・そうせざるえないことがとても痛い。小さな頃、ボクのグリゴリオ先生がいたのなら・・・一人で図鑑をながめ、無意味に捕虫網を持って遊ぶこともなかったかもしれない。そこから、様々なものを引きだす方法さえ知ることができていたなら、より豊かな何かを知ることができたかもしれない。今さらかもしれないが、少しでも自分を豊かにしていきたいとも思う。

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