革のメンテナンスについて

革のメンテナンスってどうするの?って話を聞かれますが、革の種類にもよる部分があったり・・・。今回は、表面が柔らかく光沢が弱いもしくは無い革についてのお話です。ここでポイントなのは、光沢が弱いってことです。必ずしもこうだと言えない場合もありますが、光沢が強ければ基本的にコーティングが強く、革の表面から加脂することが難しいとことが多いです。
例外もありますが、そうした傾向があります。逆にコーティングが弱いと言うことは、革の質感がダイレクトに伝わる反面、傷つきやすい特徴がありますから、「優しく扱う」「水に濡らさない」など扱いに注意が必要なことが多いです。
水染みができてしまうと流石に戻すことはできませんから、悲しい思いをしないように扱いましょう。逆に、そうしたことさえ風合いと納得できるような使い方というのもありますが、使っていくならメンテナンスは必要です。

1) 表面の汚れを落とす。
 当たり前ですが、表面の汚れを落としましょう。表面にシワが多いものは別として、銀面(革の表)を水分を含ませた柔らかい綿(何度も洗い晒してヘタリがでているような生地が良いです)え?「濡らしたらシミになるんじゃ?」と思われがちですが表面を軽くしっとりさせて水溶性の汚れを少しでも浮かせるということです。けして水が染み渡ってしまうような濡らし方はせずに、表面の汚れを浮かせるということです。そこで、更に水をしっかり搾った柔らかな布で表面を柔らかく撫でるように汚れを落とします。この時、革の表面を絶対に擦らず、強いて言えば「擦らない洗顔」に近いです。強く擦ってしまうと、それで革の表面に傷がついてしまって、銀面本来の質感が失われたりしてしまいます。拭き取る側の布の表面に薄く汚れがつく程度でも充分汚れは取れていることが多いです。
汚れを拭き取り終えたら、軽く乾燥させましょう。
 脂溶性の汚れの場合は、やはり柔らかい布に「Neats Foot Oil」(ニートフットオイル)を含ませて同様に、同じように優しく革の表面を撫でるように拭きましょう。ただ、この油は革への浸透性が強いので、水のように濡らすのではなくてオイルを湿らせて、こすらず軽く表面を拭き取る感じです。

2) 加脂する。
 重要なプロセスは、汚れを落とした後の処理です。乾燥させた革からは油分が多少なりとも抜けています。ですので、脂を補ってあげましょう。販売されているものでミンクオイルなどが多いですが、ベタつきが多いので自分は先の「Neats Foot Oil」を使うことが多いですが、このオイルは先に書いたように浸透性が高いです。革によっては、意図した以上にオイルが入ってしまって、色味が自分が欲しかったような風合いではなくなってしまうことがあります。可能なら革の端の方でどう変化するか確認して使うのが無難です。
 自分でそう書いていますが、やはり例外はあって、自分が扱っている革の中には、大量にオイルを染み込ませることで質感が圧倒的に上がる革というものも存在しています。自分が使っている革では「オイルスムース」や「タオヤメ」といった商品がそうした特性があるように思いますが、色によっても異なりますので全てがそうかといえば、そうではなくて、「試してみないとわからない」ということも多いように思います。
 販売されているRenapur(ラナパー)などのようなクリーム状の製品は、加脂のコントロールがしやすく優れている商品だと思います。
若干宣伝になってしまいますが、一般的なメンテナンスに「やまもと鞄」では、天然成分の蜜蝋のメンテナンス用クリームを販売しています。他には無い香りの良いメンテナンスクリームだと思います。人の肌にも使えるホホバオイルと蜜蝋を主成分とするものです。ベタつきは多少ありますが、ミンクオイルと比較するとベタつきはしばらくすると落ち着くので、革本来の質感が戻ってきます。革のメンテナンスクリームと言いながら、革だけではなくニスで仕上げてない無垢やオイル仕上げなどの木質部にも使えて便利です。現在は、ラベンダーとローズマリーの香りの製品がありますが、殺菌力が高まると言われているオイルを添加した商品も近々販売予定です。

こそこそ話
ヌメ革やキャメル色の革など水濡れでシミができやすい革などで、「全体を濡らしてから乾かせ!」というちょっと乱暴な話も聞きますが、乾燥が進んでしまって染みができてしまう前であれば場合によっては確かにシミが目立たなくなる可能性があると思います。シミができる理由は、場所によって乾燥の進み方が違うために染料や使った溶剤などが移動して偏ってしまうことから起こることも多いですから、乾燥が進んでしまう前に全体にオイルを含ませて乾燥速度を遅くコントロールして一部が早く乾燥してしまうようなことがないように全体を乾かしていくということをすれば確かにシミなどはできにくいかもしれないですね・・・勇気?と失敗しても諦める気持ちがないと無理ですが・・・

書いた内容は、私自身の経験などからのお話ですので、そこからズレたものであったりする場合もあるとも思います。一つの情報としてお読みください。お使いの革製品に使う場合には、大体のメンテナンス用の商品に書いてあると思いますが革の端の方で試して確認してから全体にお使いください。

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